市民社会の視座から考える21世紀の東アジア 中国と台湾の事例から

中国公民社会研究会のメンバーを中心に、神奈川大学生涯学習・エクステンション講座で下記の講座を開きます。値段が高くて申し訳ございませんが、充実したものになると思いますので、ご興味がおありの方は是非お申し込み頂ければと思います。

◎講座名
市民社会の視座から考える21世紀の東アジア 中国と台湾の事例から
→〈http://new.ku-portsquare.jp/site/course/detail/86/

◎講座概要
・講座番号 11B1610901
・期間 2011年10月28日 〜 2011年12月2日
・回数 5回
・曜日
・時間 19:00〜20:30
・定員 30名  ※先着順に受け付け、定員に達し次第締め切ります。
・受講料 8,000円
・申込期間 2011年9月1日 〜 2011年10月14日
 ※申込期間後も定員に余裕がある場合は、受け付けますのでお問い合わせください。
・キャンパス KUポートスクエア

※ 受講料には、テキスト代(一部の講座を除く)及び消費税が含まれます。
※ 開講日程や時間は、講師の緊急な都合などにより変更する場合があります。
※ 定員に満たない場合は、開講できないことがあります。

◎内容
 21世紀、インターネットなどのコミュニケーション手段の発達に後押しされて、政治家やマスメディアだけでなく、一般の市民が世界に向けて発信したり、行動したりすることが容易になりました。こういう視点から隣国を見てみると、中国では、厳しい情報統制や言論の抑圧にもかかわらず、市民の間に新しい動きが起こってきています。また、その中国と政治や文化において微妙な関係にある台湾は、1990年代までに経済発展と民主化を一応成功させ、現在は新たな課題に直面しつつあります。
本講座では、豊富なフィールドワークの経験を持つ研究者、ライターの視点から、中国・台湾の社会の最新の動向を紹介していきたいと考えています。


◎講座日程
第1回 2011/10/28 2000年代の中国・台湾―新しい社会変動
           【村井 寛志】
目ざましい経済発展の一方で格差や環境問題など様々な問題を抱える中国、産業空洞化や少子高齢化など、新しい課題に直面している台湾について、21世紀の新しい動向を紹介していきます。

第2回 2011/11/04 中国における通信メディアの発達と社会の変化
            【大澤 肇】
中国は4億人以上がインターネットを利用するインターネット大国です。スマートフォンの普及で、ますます大きな影響力を持つようになったインターネットが、中国社会に与えている影響について、皆さんと一緒に考えます。

第3回 2011/11/11 現代中国のNGOと人権問題
            【麻生晴一郎】
最近の中国をとらえる上で市民社会の台頭は見逃せません。弁護士、ボランティア、NGO、ニューメディアなど、新しい担い手が活躍し、同時に規制も多く、不安定な状態です。中国といかに付き合えばいいのか、具体的動きをもとに考えます。

第4回 2011/11/18 現代台湾のまちづくり運動と地方振興
            【星 純子】
台湾では、民主化や「台湾化」に伴って、まちづくり運動がさかんになっています。日本のまちづくりとの類似点や異なる点に注意しながら、台湾や日本の地域社会の中で、社会運動がどのような役割を果たせるのかを模索します。

第5回 2011/12/02 アニメと韓流から考える中国・台湾都市部のライフスタイルの共通化
            【本田 親史】
中国・台湾では都市部を中心に、アニメーションや韓流ドラマの流行などを通じ、徐々に共通のライフスタイルが登場しています。今回はその具体例と問題点にも触れながら、そうした動きが「国」を超えうるものなのかを考えます。


◎講師紹介
村井 寛志
神奈川大学国語学部准教授
1971年生まれ。東京大学大学院人文社会研究科博士課程単位取得満期退学、2005年から神奈川大学勤務。専門は中国近現代史、現代中国のメディアと大衆文化。主要著作に『中国と日本―未来と歴史の対話への招待―』(共著、御茶の水書房)、『中国の歴史を知るための60章』(共著、明石書店)など。

大澤 肇
人間文化研究機構地域研究推進センター研究員、(財)東洋文庫研究員
1977年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は中国近現代社会史であるが、現在、東洋学の専門図書館東洋文庫にて研究員として勤務しており、中国の電子図書館やITなどにも造詣が深い。主要著書に『新史料からみる中国現代史』(高田幸男との共編、東方書店)など。

麻生 晴一郎
ルポライター
1966年生まれ。湘南高校東京大学国文科卒業。在学中より中国の出稼ぎ労働者をはじめ、前衛アーティスト、自由言論人、市民活動家らと交流を続ける。著書に『北京芸術村 抵抗と自由の日々』(社会評論社)、『こころ熱く武骨でうざったい中国』(情報センター出版局)、『反日、暴動、バブル 新聞・テレビが報じない中国』(光文社新書)など。

星 純子
法政大学サステイナビリティ研究教育機構リサーチ・アドミニストレータ
1977年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。博士(学術)。日本のNPOを支援する米国法人の中間支援NPOでの勤務経験を持つ。研究関心領域は台湾、日本、韓国の地域社会のまちづくり。現在、世界約100ヵ国・地域をカバーする英文年表『世界環境年表(World Environmental Chronology)』の編集に従事。

本田 親史
明治大学商学部兼任講師
1966年生まれ。1990年東京外国語大学国語学科卒業後、報道機関などを経て現在、明治大学商学部政治経済学部・法政大学社会学部兼任講師、特定非営利法人アジア・アフリカ研究所研究員。最近の論文に「中国・台湾における公共圏形成と『日本のメディア化』」(『21世紀東アジア社会学』第3号、2010年6月)がある。