ワークショップ 「雇用流動化を生きる―労働・場所・アート―」

◇日時:2月3日(土) 15: 30〜
◇場所:神奈川大学横浜キャンパス 20号館201
 最寄り駅(東急東横線白楽徒歩13分、または横浜駅からバス)
 ※会場へのアクセス詳細はこちら→〈http://www.kanagawa-u.ac.jp/02/accessmap/index.html

[企画趣旨]
雇用情勢の流動化が言われる昨今、都市に生きる「都市下層労働者」の姿が、急速に像を結びにくくなってきている。携帯電話のネットワークに溶解し、ネットカフェに拡散する寄せ場。こうした状況の中、寄せ場という空間は何だったのかを再考し、ポスト・フォーディズム期における「つながり」や「場所」の再構築の可能性を検討する作業が急務であろう。今回は、長年釜ヶ崎大阪市内の公園の野宿者の問題に実践的に関わって、刺激的な空間論を発表し続けてきた原口剛氏(地理学)と、メディア/アート系のNPO[remo]に関与しながら、プレカリアートに関する論考を発表してきた櫻田和也氏(都市政策)という気鋭のお二人を関西より招き、釜ヶ崎という空間の「場所性」を歴史的に検証するとともに、アートが持つ「場所」を切り開く力の可能性と限界について議論する。さらに、コメンテーターとしては、非正規労働の若者たちを繋ぐ政治/文化運動として大きな注目を集めつつあるPOSSE代表の今野晴貴氏を迎えた。極めて現代的な課題に、これまで試みられてこなかった関連領域の気鋭の論者の顔合わせで迫るこのワークショップ、理論と実践を切り結ぶ刺激的な議論が大いに期待される!

◇報告①:原口剛さん (大阪市立大学大学院・同大学都市研究プラザ・リサーチアシスタント、地理学)
 フォーディズム-ケインズ義体制下における日雇労働市場の編成と労働運動の動態
  ――大阪・「釜ヶ崎」を事例として――」

◇報告②:櫻田和也さん (大阪市立大学大学院、NPO法人・記録と表現とメディアのための組織 [remo]、都市政策
 「ポスト・フォーディズム-シュンペーター主義的ワークフェア時代の失業運動とアート」

  ディスカッサント:今野晴貴さん (NPOPOSSE代表)
              POSSEについては→〈http://www.npoposse.jp/

  司会:五十嵐泰正さん (学術振興会〔一橋大学〕)

                             後援: 神奈川大学人文学会

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◇報告者の御二人について
★原口剛さん
 大阪市立大学文学研究科後期博士課程
  / 大阪市立大学都市研究プラザ・リサーチアシスタント、地理学

【関連著作】
・「集客都市の暴力」『VOL 01』, 2006, p152〜p158.
・「公共空間の変容―ジェントリフィケーションから報復の都市へ」
  『現代思想』33(5), 2005, p142〜p155.
・「「寄せ場」の生産過程における場所の構築と制度的実践―
  大阪・「釜ヶ崎」を事例として」『人文地理』55(2), 2003, p17〜p27.

櫻田和也さん
 大阪市立大学創造都市研究科後期博士課程
 / NPO法人 記録と表現とメディアのための組織 [remo] 技術係、都市政策
       remoについては→〈http://www.remo.or.jp/

【関連著作】
・「失業のメーデー」(2006:修士論文
・「プレカリアート共謀ノート」 『インパクション』151号(2006.4:インパクト出版会
 「労働としての芸術」(2007:予定)
・鼎談(×金友子×小野俊彦):「場所を生み出す」 『インパクション』153号(2006.8:インパクト出版会


 五十嵐さんからの情報ですが、1月28日(土)にNNNドキュメント'07で 「ネットカフェ難民 漂流する貧困者たち」というタイトルの番組が放映されるようです。未見ですが、関係ありそうな内容なので、情報として流しておきます。
 以下、〈http://www.ntv.co.jp/document/〉より。

2007年1月28日(日)/30分枠
ネットカフェ難民漂流する貧困者たち
制作=日本テレビ
社会のあちこちで目に付く格差の広がり。生活困窮者を支援するNPO生活保護ケースワーカーの間で最近話題になっているのが“現住所・ネットカフェ”という若者たちだ。「完全個室・宿泊可」と書かれたネットカフェ。東京だけでなく、大阪、仙台、札幌、北九州などにも孤独な宿泊者は存在する。ネットカフェといってもリクライニングシートがついた優雅なものではない。狭い部屋で堅いイスにひと晩中座ったまま何ヶ月も眠る。バイトを転々として食いつなぎ、健康や将来の不安を抱えながら希望が見つからない若者たち。その実態を追う。
ナレーター:高島 雅羅