CSF12月例会

 直前になってしまいましたが、下記の催しを行います。来聴歓迎です。
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CSF12月例会

論題「『沖縄やくざ戦争』を見る」
日時:12月27日14時〜17時
場所: 一橋大学西キャンパス第一講義棟106教室
    (JR中央線 国立駅下車)

今回のCSF例会は、通常との例会とは異なり、発表者もディスカッサントもいない形式となります。ビデオで映画を見て、いろいろ感想を話し合うといった、年末特別企画です。評判がよければ、次は研究報告と合わせて何か企画することになると思われますが、今回はまず映画のみ見るかたちになりました。

今回取り上げる映画は、『沖縄やくざ戦争』(中島貞夫監督、1976年、東映)になります。ストーリーは、「本土復帰を翌年に控えた昭和46年、沖縄やくざ組織は本土系暴力団の沖縄進出に対処して「沖縄連合琉盛会」を結成した。こうして始まる沖縄やくざ組織の内部抗争や、本土系との血で血を洗う凄惨な戦いを描く」というもの。
一見して分かるように、ここには沖縄独立論がメタファーとして組み込まれています。近年では、『独立少女紅蓮隊』(安里麻里監督、2004年、ユーロスペース)が、沖縄独立をめざす少女スパイたちの物語を描いていますが、そちらとの比較をしながら見るというのも、一つの見方でしょう。
また、琉球歌謡の指導で、竹中労が関わっていることから、彼の周辺の思想的な系譜にからめて論じることも可能です。
さらには、日本映画の沖縄表象を研究するに当って、膨大なソースがあるにも関わらず、あまり重視されてこなかった「やくざ映画」に注目することにも繋げることができます。
ともあれ、この映画が描く、沖縄の情況は決して「笑い事」ではないシリアスなものとして現在も続いています。現在の沖縄の情況について考えるきっかけにもなるかと思われます。もちろん、上記以外の読みも、さまざまに可能なテクストである(それなりの努力が要されますが…)と思います。
年末の押し迫った時期ですが、みなさま、どうぞお出で下さい。
※文は千葉慶氏