CSF5月-地域活性化の資源としてのエスニシティ?ローカリティ?

 下記の催しを行います。来聴歓迎です。
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Cultural Studies Forum (CSF)5月例会のご案内

◎日時: 5月28日(日) 14:00〜

◎会場: 武蔵大学7号館 社会学部実習室3(7309教室)
 最寄り駅西武池袋線江古田駅西武有楽町線新桜台駅、地下鉄大江戸線
  新江古田駅 
  (詳細は〈http://www.musashi.ac.jp/03-02.html〉をご参照下さい) 
◎報告題: 地域活性化の資源としてのエスニシティ?ローカリティ?
◎報告者: 桑江友博さん (武蔵大学・院、社会学
    ディスカッサント: 五十嵐泰正さん (学術振興会、社会学

◎報告要旨: 
 本報告は、2005年から毎年7月に開催されることになった「中野チャンプルーフェスタ」を事例に、競合する近隣地域との差異化を図るべく構成された地域イヴェントの文化的正統性の問題を明らかにする。
 地域活性化を目的としたイヴェントは現在、数多くの地域で催されている。いくつかのイヴェントは、その「独自性」を示すために、必ずしも「地域」に由来しない、他の地域で成立・発展した「伝統」文化・芸能を主軸に据えている。
 本報告では上述の問いに3つのリサーチクエッションを設定する。
1.これらのイヴェントで、「伝統」文化を利用する正統性・正当性はいかなる言説・社会的背景で担保されるのか。
2.「伝統」文化を掘り起こしてイヴェントを企画した人びとはどのような人物であり、活性化すべき地域のどこに位置しているのか。
3.「伝統」文化を担うパフォーマーはどのような社会的属性を帯び、パフォームすることにたいしてどのような理由付けしているのか。
 以上の設問について、イヴェントへの参与観察並びに、関係者へのインタビューや聞き取り調査をもとに明らかにする。
 併せて、これまで地域活性化の資源として利用された「伝統」文化が、「エスニック」なものであるのか、あるいは「ローカル」なものであるのか、さらにはいずれでもありつつも、いずれでもないような状況をどのように考えればよいか、問題提起を試みたい。

◎推薦参考文献:
Hobsbawm,E. and Ranger,T.(eds)=前川啓治・梶原景昭他訳,1983=1992,
  『創られた伝統』紀伊国屋書店
Appadurai,A.=門田健一訳,1996=2004,『さまよえる近代?グローバル化の文化研究』
  平凡社
芦田徹郎,2001,『祭りと宗教の現代社会学』世界思想社
多田治,2004,『沖縄イメージの誕生』東洋経済新報社
玉野和志,2005,『東京のローカル・コミュニティ』東京大学出版会