シンポジウム 311以後の日本から中国を語る

神奈川大学国語学科主催シンポジウム

311以後の日本から中国を語る

開催趣旨
急激な経済成長を続けてきた中国は、今、大きな転換点を迎えようとしているように見えます。しかし、ここ日本において中国を語る際、その社会矛盾 の噴出や制度上のきしみを対岸の火事として高見の見物を決め込むことはできないでしょう。「日本」という場自体もまた、大きくゆらぎ、構造変動の まっただ中にあるからです。では、この現代日本という場から中国社会について語る時、どのような可能性と問題点があるのでしょうか。
 本シンポジウムでは、マクロな構造分析とシステムに翻弄される人々への共感、理論と実証、現状分析と歴史研究をつなぐ斬新な切り口で中国を語 る、今、最も先端的な中国研究者・梶谷懐さんを基調報告者としてお招きします。また、梶谷さんの近著を手がかりに、意欲的なフィールドワークを行 う3人の気鋭の研究者から問題提起を行なって頂き、上記の問題について、考えていきたいと思います。

日時: 2012年2月10日(金)14:00〜17:30
会場: 神奈川大学横浜キャ ンパス 23号館205
     横浜市神奈川区六角橋3-27-1(東急東横線白楽駅」から徒歩13分)

プログラム
第一部 14:00〜14:55
14:00 開催趣旨説明
14:05 基調報告
  梶谷懐「東アジアにおける「公共性」の可能性―「中国特殊論」を超えて―」
梶谷懐氏プロフィール
神戸大学大学院経済学研究科准教授。2001年、神戸大学大学院経済学研究科博士課程修了、2000年、神戸学院大学経済学部講師(2004年、 同助教授)などを経て、2010年より現職。著書に『現代中国の財政金融システム―グローバル化と中央-地方関係の経済学―』(名古屋大学出版 会)、『「壁と卵」の現代中国論―リスク社会化する超大国とどう向き合うか―』(人文書院)など。ハンドル名「梶ピエール」のブロガーとしても知 られる〈http://d.hatena.ne.jp /kaikaji/〉。

第二部 15:00〜16:20

報告 梶谷懐『「壁と卵」の現代中国論―リスク社会化する超大国とどう向き合うか―』(人文書院、2011年)をめぐって
1.阿古智子
 早稲田大学国際教養学部准教授。現代中国の社会変動が主な研究テーマ。
 著書に『貧者を喰らう国―中国格差社会からの警告―』(新潮社)など。
2.大澤肇氏
人間文化研究機構地域研究推進センター研究員、(財)東洋文庫研究員。専門は中国近現代社会史、史料情報論。編著書に『新史料からみる中国現代 史』(共編、東方書店)など。
3.水谷尚子
中央大学兼任講師。専門は近現代中国史、近現代新疆史、オーラル・ヒストリー。著作に『中国を追われたウイグル人――亡命者が語る政治弾圧』(文 藝春秋)、『「反日」以前――中国対日工作者たちの回想』(文藝春秋)など。

第三部 16:30〜17:30
16:30 梶谷氏から書評報告への応答
16:45 総括討論
17:25 閉会の辞

司会 村井寛志 (神奈川大学国語学部准教授)

参加無料、申込不要

主催 神奈川大学国語学
共催 中国公民社会研究会、神奈川大学経済学部グローバリゼーション研究会
企画協力 麻生晴一郎氏、本田親史氏